12月のテーマは「宮崎駿」でした

急に冷え込みが厳しくなってきた師走に10名ほどの方が
宮崎駿に関する本を片手に中州にあるおしゃれな洋館に集合しました。
それぞれに宮崎駿に関す本を紹介し合い、
少しだけマニアックな話で和気あいあいと楽しく盛り上がりました。

個人的にはTさんが持ってきた、宮崎駿が書いた飛行機や戦車に関する
イラストを用いた解説書が最も気になりました。

宮崎駿の雑想ノート

第二次世界大戦で使用された飛行機等に関するうんちくが
彼のイラストの脇にびっしりと書き込んであり、
手元に置いておきたいっ!! そう思いました。

商業ベースに乗るように作られたアニメよりも
彼の趣味がさく裂しているこの本の方が実は楽しいかもしれない。

また、彼のアニメ映画にはメッセージがあるようで実はない気がしていたが、
今日やはり映画のメッセージ等を全く気にしないで見る方が、
彼の作品は面白いのかもしれない。
集まって貰ったみなさんんと1時間ほど話した後にそう思いました。

多分、彼自身、混乱したまま、矛盾を抱えたまま、
その思いを作品に込めたいるような気がしてきました。
だから、第三者がその映画のメッセージは?、なんて考えても
答えなんて多分ないんじゃないかな?そう思いました。

逆に、だからこそ、メッセージは?
と考えることが楽しいのかもしれませんが。

今回あらためて思いました。
宮崎駿はやっぱり魅力的な人です。
10人で1時間半ほど話してもまだ話し足りない気がしますもの。



また別のテーマでも読書会やります。
ぜひ参加して下さいね。


by どん・タコス

9月の日曜日の読書会の報告

こんにちは!村井です。
9月23日(日)9:00からの読書会は3名による
密度の高い朝活となりました。
テーマは「目からうろこの落ちた本」です。


科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている  (宝島社新書)

現在、地球温暖化の原因とされているCO2ですが、
本当にCO2が原因なのかという根本的なことを問うている本です。
温暖化効果ガスとしては水蒸気の方が圧倒的に決定的要因であること。
雲の量が少し増えるだけで太陽光を遮って地球の気温を下げること。
雲の量は宇宙線の量と相関していること。
宇宙線の量は、太陽の活動と逆相関していること。
そして、太陽の活動の周期等からすると、今後地球が寒冷化することが予想されること。
寒冷化の方が飢饉を引き起こし、問題が多いこと。等々。

これらのことがどこまで本当か私には判断がつきませんが、
多くのグラフ等が示されており説得力があります。
CO2が温暖化の主因ではなければ、排出権取引等の話は茶番劇となってしまいます。
面倒くさいことですが、一般的に言われていることの根拠を疑うということを
忘れてはいけないということを考えさせられる本でした。
気象のメカニズムなんて複雑で簡単に原因等わからないのもしれませんが、
判断を誤らないためにも、まずはより正確なデータに基づく原因の追及をと思いました。

by どん

「自分の中に毒を持て」岡本太郎

大阪万国博の「太陽の塔」の創作、
そして「芸術は爆発だ!」の言葉で有名な岡本太郎氏。
岡本氏のありのままの姿がありありと描かれています。
「爆発!」の意味とは?
岡本氏が、人生を、愛を、人間を語る。
その語り口におもわず引き込まれずにはいられませんでした。
by 本の紹介者HNさん


この本をご紹介された方は、太陽の塔くらいしか岡本太郎について
ご存じなかったそうですが、
この本を読んでその型破りな生き方、
パワフルで常識にとらわれない発想に驚かれたそうです!

ヴィレッジバンガードにも岡本太郎の名言集が置いてあります。
価値観をゆすぶられること間違いナシ!若い人におススメです!
by村井


最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1 (新潮文庫)

最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1 (新潮文庫)

「最後の喫煙者」筒井康隆

星進一さんと並ぶSF・ファンタジーの大作家
いまでいうライトノベルの先駆者にして
78歳の今もなお朝日新聞に連載を持つ筒井康隆先生の短編集です。
実写映画がリメイクされ、アニメ映画にもなった
時をかける少女」が有名ですね。

短い中にも毒のあるユーモアたっぷりです。
「最後の喫煙者」は「世にも奇妙な物語」で実写化されたのを
子どものころに見て15年経った今でも印象に強く残っています。

表題作「最後の喫煙者」1987年に発表された作品です。

あらずじはこちら↓
以下http://yonikimo.com/db/public/267.htmlより引用。

嫌煙権運動が異常に盛り上がり、喫煙者は迫害されていく。
最終的に、喫煙を好む作家達が山に立てこもるが
スモーカー狩りが行われる。
次々と喫煙者達が狩り出され、主人公一人になったその時
「その人は、現在地球上最後の喫煙家です!
 国際条約により保護対象となりました!」
驚いて足を踏み外し、崖から転落する主人公。

博物館。「最後の喫煙者」という展示パネル。
主人公の剥製が展示されている。
「昔は煙を吸う人なんていたんだぁ……」
(引用ここまで)

この作品は世の中の思想がある考えに傾いたときに、
それに異を唱えるものが弾圧されたり排除しようとする動きが急速に広まることの
恐怖を描いた作品だと思います。
煙草という素材が物語を作る上で都合が良かったのでしょう。
人間の持つ多様性を排除しようとした世界がどんなものかを表した作品であり
喫煙者という身近にいる存在を使うことで物語に説得力を持たせようとしたのでしょう。
イメージとしては戦前の日本の思想弾圧のような感じでしょうか。

尖閣問題に付随する中国での暴動、人権擁護法案の成立・・・


いろんな意味で「目からウロコ」な一日でした。

by村井

夏の終わりの読書会の報告 8月26日(日) 9:00 〜 10:30

8月の最後の日曜日の朝9:00より天神のCafeにて読書会を開催しました。
今回のテーマは「今年になって読んだ最も面白かった本」でした。
紹介して貰った本の内容に思わず自分自身の直面している状況を感じてしまい、
話が盛り上がってしまいました。

紹介して貰うたびに読みたい本が増えていき、
ちょっとばかり焦りを覚えたりしました。
そして自分が紹介した本についても、さらに詳しい情報を
参加者から教えて貰ったりしました。
さすが、皆さん読書家ですね。
塩野七生さんの他の本もぜひ読んでみます。

 

読書会が終わってCaffeを出たのがお昼近くになっていたので、
都合の合う8名ほどで一緒にお昼ご飯を食べて解散しました。
充実した日曜日の朝となったと思います。
参加して頂き、どうもありがとうございました。
ぜひまた参加して下さいね。

今回紹介して貰った本を以下にまとめました。
面白い本ばかりだと思うので、ぜひ読んで見て下さいね。

by どん・タコス

出発点―1979~1996
宮崎駿は日本で最もクリエイティブな1人だと思う。
だけど、彼の仕事はおそろしく泥臭い作業なのだということがわかる。
彼らの周辺の人々が働いている時間も半端ではない。
何年もの間、数時間の睡眠とお菓子だけで仕事を続けた女性の話だとか。
そして彼が膨大な量の読書をしていることもわかった。
彼の読んだ本がたくさん挙げてあったが、それらの本を僕も読みたくなった。
日本の農耕文化や森に関する本等に興味を引かれた。

ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) (新潮文庫)
イタリヤでも高く評価されている、日本人女性が書いた古代ローマに関する本。
紀元前というはるか昔に、ローマがアフリカ北部の国カルタゴとの戦いで、イタリヤ半島だけでなく、シチリア、スペイン、アフリカという広大な場所で長期間の戦争を戦い抜いたのだということを初めて知った。アフリカ等に意外に簡単に派兵するヨーロッパ人の感覚がわかったような気がしました。文庫本で全43冊あるようなので続きを読む楽しみが増えました。

人生の願いをかなえる「イメージング」
ジョイ石井著
なかなかマイナス思考を払しょくできない時に、ヒントを与えてくれる本です。
◆今の自分はひとまずおく今の自分がどうこうより、なりたいイメージを。
出来ていない自分を意識しない。意識してしまうと、
それが潜在意識に繋がってしまう。

プロカウンセラーの聞く技術
東山 紘久著
著者の40年というカウンセラーの仕事を通して
〜話すことより聞く方が好きだという人にお目にかかったことがありません。〜
という一文に激しく納得してしまった本。
聞き上手を目指すなかで避けられない『愚痴や悪口』の聞き方も参考になります。
よくよく考えたら、この二冊が一番のおススメでした。
by YGNM

地の底のヤマ
地の底のヤマ 西村健
大牟田、三池炭鉱を舞台に、起きた4つの事件に一人の警官が生涯をかけて迫っていく長編小説です。また、舞台が炭鉱の繁栄から衰退にかけてで、その当時の人間模様の移り変わりも当時の状況をあらわしており面白そうでした。


本のタイトル:「禅が教えてくれる 美しい人をつくる 『所作』の基本」
禅が教えてくれる 美しい人をつくる「所作」の基本
作者:枡野 俊明
出版社:幻冬舎

曹洞宗徳雄山建功寺住職であり、庭園デザイナーである枡野氏が説く、
禅の教えを基本とした、美しく、シンプルな生活の方法を示した本です。
桝野氏が言うには、朝の時間をいかに大切に過ごすかが、
『1日を美しく生きるためのカギ』なのだそうです。
『毎朝両手を合わせる』、『朝、5分でいいので掃除をする』、
『朝起きてすぐにテレビをつけない』など、生活習慣を改善したいと考える人にとって、
比較的取り組みやすいアドバイスがたくさんちりばめられています。
女性には是非読んでいただきたい1冊です。

30代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則

ワタシは最高にツイている

インクジェット時代がきた!  液晶テレビも骨も作れる驚異の技術 (光文社新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

絶望の国の幸福な若者たち
詳細なフィールドワークによって生の若者の声を集めた本です。
絶望の国の幸福な若者たち

秋山真之本木雅弘主演でNHKドラマにもなりました)
広瀬武夫日露戦争における両英傑の物語です。
植民地化される一方だったアジア人が初めて
欧米列強の大国ロシアに勝利したことは世界に衝撃を与えました。
ロシヤにおける広瀬武夫 上巻 (朝日選書 57)
この作家は、司馬遼太郎が薦める作家で当時の息遣いが聞こえてくるほどリアルな作品です。


ロシヤ戦争前夜の秋山真之―明治期日本人の一肖像

個性派女優:小林聡美の前向きな一面が見られます。
ワタシは最高にツイている (幻冬舎文庫)

児童書だけどとても読みやすいです。
つきのふね

プリンターで3次元のものが出来る!
これは新たな革命です!
インクジェット時代がきた!  液晶テレビも骨も作れる驚異の技術 (光文社新書)
時代は、3次元のプリンターまで来ています。画像データをPCで入力すると3次元のものが作成できる機械が・・・ 
模型やミニチュアとかも簡単に作成できてしまうそんな時代が・・・
技術の進歩って素晴らしい!!

建築家の方が書かれた、ホームレスの家はとても合理的に出来ている、という本です。
明日は我が身かも!?
独立国家のつくりかた (講談社現代新書)
よくよく作者のプロフィールを見てみると、新政府(?)の初代内閣総理大臣やらダンサー(?)と面白そうな経歴のお方です。建築も詳しく、ダンボールハウスの話なんかはとっても面白かった。


自燈明―捨てる自分、活かす自分
自燈明―捨てる自分、活かす自分 玄侑宗久
お坊さんが書かれた本。自燈明とは釈迦が亡くなる前に弟子に話した最後の教えだそうです。心洗われる本です。

以上サブ幹事のクリス松村井でした。
「歴史物なら歴史物オンリーの読書会、
小説なら小説オンリーの読書会もやってみたいね」との
意見もありました。

日曜朝、続けていけるといいですね。9月23日くらい?

8月の読書会の報告 [ 8月2日(木) 7:10 〜 8:10 ]

ヨムヨムズのどん・タコスです。
この度、人生で初めて読書会を開催させて貰いました。
せっかくなので新しいことを少し取り入れてみたくて、
100円ショップで見つけたピンクの砂時計を使ってみました。

我ながらよいアイディアだったと思ったのですが、
時間のリセットが難しいということに気付きました。

砂がまだ残っている段階で次の人の順番になった時、
でんさんが素早く砂時計の頭をぺしぺしと叩いていましたが
砂の落ちる速度は一向に早くなりませんでした。
その点さえ気をつければ、いいアイテムだと思います。

今回のテーマは狭すぎず、広すぎずのバランスを考えてヨーロッパとしました。
どういう本が集合するか楽しみにしていましたが、
フランスの不思議な漫画から村上春木。
フェルメールから庭園、企業に関する本と、
想像以上にバラエディに富んでいて楽しく充実した朝の一時間でした。


以下に紹介して貰った本をちょっとばかり紹介します。


グローバルビジネスの隠れたチャンピオン企業

1人あたりの輸出額が日本のおおよそ三倍近くでダントツの世界一を誇るドイツ。
その原動力は小さな村々に存在する比較的小さな企業群。
それられの企業は自らターゲットとする市場を狭く定義することで
その分野では世界一の立場を作り上げる。市場の狭さがあるものの
ビジネスをグローバルに展開することで輸出額を伸ばしている。
日本との対比を考えさせられました。


意味がなければスイングはない (文春文庫)

村上春樹さんの音楽に関するエッセイ。
その中でも同時代に生き、境遇も似通った二人のピアニスト、
ゼルキンルービンシュタインに関するエッセイで、
努力型であったゼルキンと天才型であったルービンシュタイン
人生が語られているそうです。youtubeで演奏を見れるそうです。


3秒

マルク=アントワーヌ・マチューというというフランスの方の映画「3秒」をそのままくりぬいた本です。映画「3秒」はある物に移った映像をひたすら追いかけていくというかなり特殊な映画で、ストーリーやセリフ、BGMは無く、どんどん場面が移り変わっていきます。スピード感と不思議な迫力に満ちた展開が楽しめます。
視点が先へ先へとどんどん進み、見えないはずの世界が展開していきます。


IKEA 超巨大小売業、成功の秘訣

IKEAを一代で育て上げたイングヴァル・カンプラードの物語だそうです。
現在はお洒落な家具のお店として有名ですが、最初は通信販売からの
スタートであったそうです。そしてイングヴァル自身は
デザインに関するセンスが全くないそうで、アップルのジョブスとは対照的だと思いました。
そして彼の哲学は、彼のおばあちゃんから引き継いだ「けち」の精神なのだと。
世界の億万長者らしいですが、どことなく親近感を覚えました。


新装版 歴史をさわがせた女たち 外国篇 (文春文庫)

中学一年生の時に社会の先生からプレゼントされた本だそうです。
この本がきっかけでさらにその方面の勉強が好きになったとのこと。
先生から本をプレゼントされるなんて、羨ましい経験ですね。
実は私もちょうど中学一年生の時に地理の先生から
目をかけて貰った経験がありますが、本を貸して貰うのが関の山でした。。。
ロシアのエカテリーナ2世クレオパトラ西太后に関する
内容が印象に残っているとのこと。


ハムレットQ1 (光文社古典新訳文庫)
「生か死か、それが問題だ」というフレーズで有名なシェイクスピアハムレット
知っているようで知らないストーリーでした。デンマークの王子ハムレット
父親を殺したおじへの復讐の話のようです。
比喩がピンとこない表現があったそうです。例えば、「オリンピアの森より深い」とか。
うーん、確かに分からない。「富士の樹海より深い」だとピンときますが。
8月にキャナルで舞台があるそうです。
まずはそのあたりから触れてみるのもいいのかもしれません。


庭園史をあるく―日本・ヨーロッパ編

都市に存在する公園が始まったのは産業革命の頃のイギリスのハイドバーク等から。
日本では明治以降で、上野公園や奈良公園が初期の公園だそうです。
イギリスでは公園の広さが1人当たり40平方メートルだそうですが、
日本では7平方メートルとのこと。随分狭いですね。
わたしにはまったく想像できないイタリア式庭園に関する説明もあるらしく興味をひく本です。


フェルメール 静けさの謎を解く (集英社新書)

フェルメールの絵の特徴について教えて貰いました。
・見たままではなく、細かいものは大胆に省略し、できるだけシンプルに書いている。
・奥さんの実家が金持ちだったことから当時高価だった青い顔料を多く使っている。
・光をうまく使っている光の画家。
・商業国オランダの国民性を反映した絵であり、王等のパトロンの為の絵ではない。
・100年後にモネなど印象派の画家に影響を与えた。


秘密のロンドン (洋泉社MOOK)

20年間イギリスに住んでいる人が書いた、相当のイギリス通が書いた
イギリスを紹介する本。同性愛にオープンで、ゲイも普通に街を歩く。
またイギリスで日本人女性は大変モテルそうです。
それからやはりお茶が充実しているそうです。




リバレッジ人脈術

ふくおか明るい読書会・サポーターの村井です。

今回お勧めするのは本田直之さん著
レバレッジ人脈術』です。

たまたまカフェに置いてあったのを手に取ったら
ハマってしまって、この本を読むためだけに3回通いました(笑)

レバレッジ人脈術

レバレッジ人脈術

・著者の考える人脈とは、お互い情報を交換したり、人を紹介したり、刺激し合ったりして、一緒に成長していけるようなマインドの高い仲間のこと。

・人脈をパッシブではなくて、アクティブに考えていくのが、レバレッジ人脈術なのです。頼むのではなく、相手に対して何ができるのかを考えていくということなのです。

・仲間内に意識が伝染し、「難しい」と思っていたことが簡単になり、「できない」と思っていたことが可能になる。そういう相乗効果によって、全員が大きく成長できるわけです。

・自分の価値観にあった仲間を見つけ、つながりを持ち、ともに高め合うことが、「レバレッジ人脈術」の大きな目的なのです。

(以上、amazonの内容紹介より一部抜粋)


自分は相手に対して何を出来るか?
相手に対していかにメリット(あまり好きな言葉ではありませんが)を提示できるか、を
考えるのが重要、と著者は述べています。

その為にはソーシャルメディアやインターネットを活用して
相手のことを事前に知っておくことが大事。
例えば、facebookで募集しているイベントなら、事前に参加者のプロフィールを見る事が出来ます。
職業、経歴、やりたい事、実現したい目標、趣味など・・・
なるほど、これなら私にも出来そうですね!

今自分が誰かに提供できるメリット・・・
外部の講習会で知り合った意識の高い人の紹介くらいかなぁ???


追伸:読書会など趣味の会を主宰するのもよいと書いてありました。
   (少人数でもよいので)
   そこからネットワークが広がります。

本の紹介例(その2)

これは第二次世界大戦でドイツが用いた
エニグマという暗号の解読にまつわるドキュメント。
500ページほどもある分厚い本。

エニグマ・コード―史上最大の暗号戦 (INSIDE HISTORIES)

年度末の忙しさもひと段落したのでこれを読んだ。
久しぶりに寝るのも忘れるほど没頭できた本だった。
夕方の5時位から読み始め、夕食を挟んでさらに読み進め、
ふと気がついた時には午前2時半近くだった。
その時点で一応中断して寝たが、面白い本だった。

僕にとって意外だったのは、
エニグマコードを最初に解読していたのはポーランドだったこと。
これまでてっきりチューリングら、イギリスの情報局が
最初に解読していたのかと思っていた。

もっとポーランド人の努力が知られていてしかるべしと思う。
それから、イギリスは単に暗号の情報処理をうまくするだけでなく、
エニグマの暗号を解読するために、暗号に関する文書や暗号機を
奪うための強襲作戦を実際に実施していたのだとうこと。

そしてエニグマの暗号を解読できていることを悟られないように
最新の注意を払いながら様々な作戦を実施していたこと。
エニグマに関するドイツの情報をフランスに渡したいわゆる
スパイというものが実際に存在したこと。

エニグマを破る糸口はドイツ側の暗号機の運用者の気の緩み。
例えば、気象情報を毎回同じ文面で同じ時刻に送っていたこと等。
これらが解読する方にとって重要な情報を与えることになった。

この本の様々なエピソードの一つ一つが映画にできそうな話であり、
本当に実際に過去に起こったことであることが信じられないような気がする。

戦争において相手の情報を盗る、もしくは機密を守るということは
本当に戦局を大きく左右するほど重要であり、
エネルギーを費やすことなのだなと実感できる。

最後に印象的であったのが、戦勝国が戦後、エニグマの暗号機を
植民地の人々に使わせたということだ。
もちろん、エニグマ暗号を自由に解読して、自国に必要な情報を盗るためだ。
アメリカ、イギリスは抜け目のない国だと思った。

同じことをやりたいと考えている人々が現在でもアメリカに
いると考えておいた方が自然なのだろうな。
インターネットに関するセキュリティー技術なんてのもあるけど、
本当のところはわからないよな。
情報を盗る方は、盗ったことがばれない様にするのが常套手段だもんね。

本の紹介の例(その1)

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども」という本はとてもお勧めです。
半年前に読んだ本だけれど、いまだに印象に残っています。
この本の著者である佐藤多佳子に出会ったのは5年ほど前。
「イグアナ君のおじゃまな毎日」という子供向けの本で知った。
それは子供向けの本にも関わらず、「これはすごい本だ!」
と思わずうならされるようなレベルの高い本だったことを覚えてます。

その作者は大人向けの小説もたくさん書いていたようだが、
今までそれを知らずに過ごしてきた。
しかし、彼女の作品がここに来て、賞をとったり映画化されたり
していることもあってか、本屋の平積みしてあるコーナで再び僕の前に表れた。

そのとき、僕には選択肢は二つあった。
映画化された小説と、本屋大賞を受賞した作品。
僕は童話っぽい表紙の絵にひかれて映画化された「しゃべれどもしゃべれども」を選択した。
これがどうやら当たりだったようだ。

本好きの友達に「しゃべれどもしゃべれども」を早速紹介したところ、
佐藤多佳子が気に入ったらしく、一週間ほどで、入手可能な彼女のすべての作品を読んだとのこと。
彼が言うには、「しゃべれどもしゃべれども」が一番良かったらしい。
何気なく手にした本が最初からいい作品でラッキーだった。

かけだしの落語家がひょんなことから、
話し方を人に教えることになってしまうという話です。
ストーリ自体はそれどほど大きな展開はないけど、この小説に登場するすべての人に
とてもリアリティが感じられ、引き込まれます。
冒頭にも書いたけど、彼女は日本語がとてもうまいと思う。

皆様もこの本を手にし、おだやかで、さわやかな感動をお楽しみください。
僕は映画の方は見ていませんが、お勧めしません。
この小説の感動を映画で表現するのは難しいと思います。